お掃除の基本

汚れの性質、特性を理解し対策をするのが「お掃除の基本」です。


その汚れは、酸性なのかアルカリ性なのかを考え、酸性ならアルカリを使う。アルカリ性なら酸を使うといった風に「中和」させることを考えるだけでもお掃除のやりかたは変わってきます。


酸性の油には、重曹のようなアルカリを使ってください。逆に水垢のようなアルカリ性の汚れには、酸を使いましょう。


そして、液を含ませて汚れ落としに使う素材は、汚れがついている素材よりも柔らかいものを使いましょう。ガラスやスチールならどれを使うか、またプラスチックにはこれで大丈夫かといったことを見極めて使わないと、落とすことができる汚れではなく、落とすことのできない「キズ」を付けてしまうことになります。


「激落ち君」という商品が出て、とても掃除が楽になったとよく聞きます。100円ショップにも類似品がたくさん並んでいます。プロの私たちもそれらにはとても助かっています。しかし、便利だからと見境なく「どこにでも」それを使えば、後で取り返しのつかないキズを残してしまいかねませんので、くれぐれも【硬さ」を考えてご使用ください。「激落ち君」などは、紙やすりの類だと考えて使った方が良いでしょう。


それから、掃除を終えるにあたっては、必ず使用した洗剤を水ぶきで落とし、乾拭きをしておいてください。洗浄液を残したままにすると「シミ」の原因になることが多いからです。


最後の締めを忘れると、後で後悔することになるのは「掃除も人生と同じ」です。


禅寺で掃除を修業の一環として位置付けているのは、その辺にも理由があるようです。